【07.05.10】心をつなぐ文化活動の役割

栗木英章(名劇団名芸代表・愛知文団連事務局長)

地元の文化団体は、異ジャンルの連合体としては愛知芸術文化協会(ANET)や愛知文化団体協議会(文団連)などがあり、芸能関係者が芸団協、放送関係や役者も含めた放芸協、あるいは演劇、音楽、舞踏、スタッフを各々に独自の協会や組織を持って、諸権利の前進や、助け合い、交流、合同企画の実現などへ協力し合っています。 この頃よく耳にするのは県や市の活動助成が後退している実情です。

 先の県知事選でも明らかにされたように十年余で五分の一以下に削減されています。皆困っているわけですから、力を合わせて要求をぶつけていけばいいのですが、それが中々難しいところです。「政治」アレルギーも一因ですが、各団体とも構成員の減少や高齢化、さらに観客、読者など文化を享受すべき仲間の職場・生活環境がより厳しくなっている背景があります。

 つまり目前の活動で手いっぱいのため、視野を広げて他と連帯するまでに至らないのです。 しかし、先日もある集まりで国際的に活動している専門家が「本丸御殿に税金を使うより文化や福祉にまわすべし」と発言しているのを聞き、手をつなぐべき対象はまだまだたくさん存在していると再認識しました。 

本紙にも紹介された言葉ですが、「大切なことは私たち自身が絶望しないこと!」を胸に、あせらず、あきらめずコツコツと人の心をつなぐ文化の役割を果たしていこうと思います。

このページをシェア