【20.04.10】中谷雄二(名古屋共同法律事務所・弁護士)

自分と子や孫の生命を守るために本気で闘わなければならない時

 人と人によって社会は成り立っている。国家は領土と人がいるだけでは成り立たない。国家の機構はいずれも法という約束ごとによって正当性が与えられ、それが守られるという前提で運営されている。それを担保するのが制裁を科す実力である。
あらゆる組織や機構は、人と約束ごとによって成り立っている。どのような制裁にも従わない人々ばかりになれば、国は力を失う。
 全ての非暴力不服従の運動が有効なのはここに本質がある。国民の命と生活を守るから国は存在価値がある。森友、加計学園問題は現政権が全国民のためではなく、友人・知人のために政治が行われていることを明らかにした。桜を見る会問題は公私混同や国の行事を利用して利益誘導が行われ、黒川検事長の定年延長問題は法違反を犯しても自らの意向を忖度する人間を検事総長に据えるためのゴリ押しである。
 そこに新型コロナウイルスをめぐる政権のバタバタである。専門家の意見も聞かず思いつきの政策を繰り出すだけで国民の疑問にまともに答えようとせず、嘘とごまかしを続ける無恥無能の首相を信頼している国民はいない。 安倍政権によってこの国はどれほどひどい国になってしまったのか。あらゆる面で危機にあるこの国を立て直し、この国で暮らす人々の命と暮らしを守るには安倍政権を一刻も早く倒す必要がある。
 金儲けを最優先する政権はこの国で暮らす人々の生命が危うくなっても有効な対策を打ち出せないだろう。官僚はもはや頼りにならない。自分と子や孫の生命を守るために本気で闘わなければならない時である。

*中谷雄二さんは2014年新年号インタビューで「秘密保護法廃止させるまで運動を」と語っていただきました。

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